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2021/11/20 20:00

日本有数の好漁場である長崎県・五島列島。
その真ん中に位置する奈留島は、豊かな海の資源を活かした水産業で栄えてきました。

しかし、近年は漁獲される水産物や流通体制の変化により、
水揚処理が長崎市などに集中し、島内への鮮魚の流通は減少。
「魚の島」でありながら、飲食店やスーパー、宿泊施設でも地元で獲れた新鮮な魚に出会う機会は少なくなりました。

そこで、島内への鮮魚の流通を増やし、今も昔も島の基幹産業である水産業と、
「島でとれたものを島でいただく」豊かな文化を引き継いでいくため、
2018年から新たな加工商品の開発に乗り出しました。

漁協ではこれまでもみりん干しや一夜干しといった加工品を世に送り出し、
長崎県ブランドの認定を受けたり、お歳暮などの贈答品として評価されてきました。


ただ、これらは冷凍保存が必要で、お土産や手軽さという点ではちょっとハードルが高いという課題もありました。
そこで、新商品は冷凍保存ではなく、常温保存で手軽に味わえるレトルトタイプに決定!

次は、どんなメニューにするか?
もともと魚食文化が盛んで、技術の発達とともに様々な水産加工品が世に誕生してきた日本人の魚を見る目は厳しい。
バラエティ豊かな商品と並んでも埋もれない新しさが求められました。

そこで、当時まちづくりのアドバイザーとして来島されていた高知のイタリアンシェフ・森澤氏とタッグを組み、
これまで奈留島にはなかった「イタリアン×魚」という組み合わせでメニュー開発を進めることに。

まずは、実際に奈留島近海で獲れた魚介を見るところからスタートしました。

様々な種類の魚を選んで試作を繰り返す中で、
シェフが特に注目されたのが、旬の時期のクオリティの高さ。
同じレシピで試作しても、旬のものでは調理法を間違えたんじゃないかと思うくらい味に変化が見られたといいます。


また、新しさを求めたとはいえ、島の人たちにはあまり馴染みのないイタリアン。
たくさんの人に自慢の魚を味わって貰いたいけれど、まずは地元で愛される逸品になってほしい。
そんな思いから、島民のみなさんを招いての試食会も開きました。

そうして厳選された自慢の魚たちが「漁師のイタリアン」という形で商品になりました!
まずは第1弾として​、7種類の商品が誕生しました。

パスタに和えたり、バケットに乗せたり、サラダにしたり、そのままおつまみにも。
みなさんのアイデアで、無限のアレンジが広がります。

島の人たちには新鮮なイタリアンの食文化を楽しんでもらい、
島外のみなさまには美味しい魚と奈留島のことを知ってもらうきっかけになりますように。

奈留島自慢の魚たちをぜひご賞味ください!